創業100年、昔ながらの製法で、水洗いから乾燥まで。機械の手は一切借りず、今も、がんこにつくり続けています。
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朝、夜明けとともに漁に出た船がしらすをたくさん積んで帰ってきました。船が着いたことを知らせるサイレンが鳴り渡ります。 |
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サイレンを聞きつけて、加工業者が集まります。品定めしているのは、カネナカ商店店主、中村純蔵72歳。この道56年。見る目は確かです。 |
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入札で落とされたしらすが加工場に運ばれてきました。 しらすの生は色はなく、透明です。 ![]() ![]() |
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生のしらすは、まず水洗いします。このとき他の小魚などが混じっていれば、手作業でていねいに取り除きますが、早くしないとなべは沸いてくるし、しらすも弱ってしまうので、時間との戦いでもあります。 |
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水洗いと同時に釜に火をつけます。昔ながらのかまどが5つ。この辺では「竃(へっつい)さん」と呼んでいます。今でこそ燃料には重油を使っていますが、むかしは薪でたいていました。今日はしらすが多いので、5つの釜がフル回転です。 |
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塩を入れ、湯が煮え上がるのを待ちます。うす塩ながらおいしいとおもえる程よい味になるよう、塩加減は充分に吟味します。煮立つのに約10分。 |
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煮立ってきました。しらすを入れます。1つの釜に一人がつき、「鍋上げ」をしていきます。ここからが一番の大仕事。釜の火を消すまで気が抜けません。![]() |
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煮立ってくるまであくをすくい、全体に火が通るように、ときどきかき混ぜます。 |
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煮上がってきてふきこぼれる直前、しらすをざるですくい上げます。このときの見極めがむずかしく、ゆですぎても、またゆで足らなくてもおいしく上がりません。次またすぐ生のしらすを入れます。 |
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ほっかほかの釜揚げしらすの出来上がり!! ざるを並べ、水を切ります。同時に大型扇風機をつけてあら熱をとります。その後、釜上げしらすとして出荷するものは冷蔵庫に入れ冷やします。 |
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水を切り、あら熱をとった釜揚げしらすを、天日で干します。それが天日干しちりめんになります。昔は浜辺で、わらむしろの上に広げて干していました。今は網に干していますが、まんべんなく乾くよう、何度か手作業でていねいにかき混ぜていくのは、昔も今もおなじです。 |
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和歌山の穏やかなお日さまの光を受けて、おいしい天日干しちりめんの出来上がりです。 |
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釜揚げしらすを1kgの木箱に入れ、さらに12箱づつを梱包機で1くくりにしていきます。ネットで注文があった分をとりおき、あとはすべて、このようにして大阪、東京など大都市圏の魚市場に出荷。冷凍ものの在庫をお売りしない所以です。 |